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執筆者の写真Femme Café

アフリカの絵本から学ぶ“いのち” ~『アフリカの音』を読んで~


こんにちは!東京外国語大学アフリカ地域専攻1年の津久井瞳です。

私はアフリカの教育問題に関心があります。今回、私がアフリカンウィークスのなかで担当するものも、それに深い関係があります。“アフリカの絵本”の展示です。イベント期間中、学内施設アジア・アフリカ研究所において、NGO「アフリカ子どもの本プロジェクト」さんの協力のもとアフリカを舞台にした絵本のコレクションを展示いたします。学生や教職員から地域の子どもたちまで、幅広くアフリカに親しんでいただける内容にしたいと思います。

今回展示予定の本の中で特に読んでもらいたいのが沢田としき作『アフリカの音』です。この本は日本人作家が日本人向け書いたものですが、アフリカの魅力がよく伝わってきます。

心地よくも力強い詩とカラフルな絵にきっと目を奪われることでしょう。


舞台は西アフリカのとある村。人々の暮らしがジャンベというタイコのリズムと共に生き生きと伝わってきます。


ジャンベにはヤギの皮が使われています。


“ヤギは死んで 皮をのこし

音になって また生きる“

ヤギは音となって“生きている”。


グン ゴド パ、グン ゴド パ と、風に乗って村中に渡るのです。


祭りの日には村の人が大勢集います。

ごちそうを取り囲み、タイコのリズムに乗って踊るのです。


“大地のめぐみに ありがとう

いのちの つらなりに ありがとう

みんながひとつになって 生きているよろこび

そのよろこびが 大きな力にかわるとき 汗は天高く のぼっていく“


昼は空高く日が昇り、夜は満点の星空のもとで“いのち”はつらなっていきます。

ヤギは音となって風に乗り、その音にみんなが集まってきます。

大地の恵みは祭りのごちそうに変わります。

そして、親から子へと脈々と受け継がれてきたいのちたちが楽しげに踊るのです。

思えば私たちの日常もいのちのつらなりに支えられています。

私たちが食べる食べ物も、生活している空間も、よく話す友人も、そして私たち自身も。

そう考えると飽き飽きするような日常が、いきなり輝きを放ち、ものすごく尊いものに見えてきませんか。


当たり前といえば当たり前のことですが、こんな風に考える機会はなかなかないと思います。

毎日なにかに追われてこわい顔をして過ごしている大人たち。社会では行き過ぎた資本主義や横行する個人主義が問題になっています。

そんな現代社会にアフリカ社会は問いかけます。循環・協調できる社会の大切さを。いのちのつらなりを。


この本で子どもたちにはただ純粋にアフリカの楽しげな雰囲気といのちのつらなりを感じ取ってもらいたいです。そして、大人たちには忘れていたなにかを思い出してもらいたい、そこでさらにアフリカの面白さに気づいてもらえたら、そう願います。



魅力あふれるアフリカの絵本が外大であなたを待っています。

ぜひお越しください。




実施期間:12.4(月)-12.22(金) @アジア・アフリカ言語文化研究所

*12/9(土)、12/17(日)には子ども向けの読み聞かせイベントも開催!@カフェ・カスタリア(大学構内の施設アゴラ・グローバル1F)

参考・引用

沢田としき著『アフリカの音』(講談社1996/3/8)

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